戦争男と平和
権兵衛党
/
「有彦。幸せって何だろう」
「おっぱいに顔を埋めた時だ」
唐突に馬鹿な事を聞いたら、とてつもなく馬鹿な返事が返ってきた。
いや、こいつに聞いてまともな答えが返ってくるなんて思っちゃいなかったが。
週末間近の昼休み、有彦と並んで教室の窓枠に肘を突き、ただ何をするでもなくぽけーっ
と開いた窓から空を眺めていたりした。
やることはない。天気はすこぶるいい。
そしてあんまり天気が良かったので、ふと思いつきで思わせぶりなことを言って見た。
結果、悪友はバカである事が判明した。
バカだバカだとは思っていたがまさかここまでバカだったとは。
いや、心底から知ってたけど。
ちなみに悪友と書いて『とも』と読む。時々、強敵と書いて『とも』と読む場合もある。
親友と書いて『とも』と読むケースは、こいつに対しては思いつかない。どうでもいいが。
それにしても、おっぱいと来た。
おっぱい。
第一におっぱい。
最大多数の最大幸福論とはつまり、大きいおっぱいは良いおっぱいだという事だ。簡単
でいいとは思わないでもないけど。
しかしこれは流石に幸せという概念に対してあんまりだと思ったので、このバカを
ちょっとたしなめる事にする。
「有彦」
「なんだ?」
こちらを向く気配を感じつつ、目は合わさない。
窓の外の地上に少しのあいだ視線を落とし。
それからおもむろに沈黙を破り――
「――確かにそれは幸せだな」
「だろう」
俺もバカだった。
馬鹿+馬鹿で200万パワーって感じだが、これ以上は増えないはずだ。たぶん。
まあそれはさておき。素直に認めるのはそこはかとなく負けたような気がしないでもな
いが、しかしそれは決して会心の笑みでウンウン頷いている有彦に負けたのではない。
むしろ敗因は、ちょうど教室のすぐ下を歩いていた上級生に帰せられるべきだろう。
つまりシエル先輩に。
というか、地上に目をやった時に目に入ってしまったシエル先輩のおっぱいに。
五限目が体育なのか体操服姿の先輩のひときわ目立つ、胸。バスト。おっぱい。
ふかふか。ぷるぷる。たゆんたゆん。
アレに顔を埋めたら確かに幸せだろうなあ……
……………………………………
……………………………………
……いかん、目が離せなくなった。
気づかれてはいけない。
こっちに気づいて笑顔で小さく手を振ってる先輩に、手を振り返す野郎どもの視線が
微妙に胸の辺りに注がれている事を、絶対気づかれてはいけない。
流石に気づかれていないとは思うが。
――いや、気づかれてないといいなぁ……
思いつつ目は揺れる胸からまったく離れなかった。
おっぱい……むう。
/
「幸せください先輩。主におっぱいで」
「唐突にバカ言いますね遠野くん」
そして放課後の茶道部室。そこに煮詰まった馬鹿が居た。
畳敷きの落ち着いた和室、ほんのりと漂う湯気、おっとりと優しく微笑む先輩。ほんわか
といいシチュエーションではある。
だというのに、そこに立ち寄っていきなりガラッと勢いよく部室の扉を引き開けた挙句
「おっぱい」とかほざくヤツは余程のバカヤロウだと断じていい。いや、俺のことだが。
しかし何の戸惑いも無くサラリと流された辺り、いったい俺は普段先輩からどんな目で
見られてるんだろうなぁ、と少し悲しい。
まあそれはさておき。
とりあえずどうぞ、と促されるままに茶道部室に上がりこんだ。
そして正面に座り込みつつ、おもむろにお茶を淹れてくれている先輩の胸を存分に観察
する。
――ううむ。
ブラジャー、ワイシャツ、ベストを通してなお自己主張する盛り上がり曲線がその大き
さと柔らかさを如実に語っていた。掌に納まりきれない白いそれの手触りを空想すると、
それだけで少し幸せな気分になったりとか。
昔のCMではないが、ポン酢醤油とおっぱいとどちらが幸せかといえばそりゃー躊躇い無
くおっぱいを選ぶね俺は。
「な、なんですか?」
気がつけば。
俺の前に湯気の立つ湯飲みを置いた先輩が、なんとなく腰が引け気味にお盆で胸を隠し
ていた。どうやら相当に幸せそうな目つきでその胸を凝視しまくっていたらしい。
「ああ、いえ……ありがとうございます」
適当に誤魔化しつつ時間を稼ごうと暖かい湯飲みに手を伸ばした。
ゆっくりとお茶を啜りつつ考える。さて、どうしよう。これからどうする?
一番無難なのは、今のささやかな幸福感を大事にしてこのまま世間話を続ける事である。
何事も起こらず、ただ先輩と一緒に時間を過す。わりとほんわかとして、これはこれで
幸せだ。しかし物足りない事は物足りない。
その次がゆっくりとムードを盛り上げて先輩の家にお邪魔するパターン。遅くなると
秋葉が恐いというリスクがあるものの、いい雰囲気になれば――
うむ。どう考えてもコレが最善策だ。
そう見きわめをつけた俺は一人大きく頷いた。
よし。
という訳で。
「先輩」
「はい?」
湯飲みを置きつつおもむろに座りなおし。
これ以上無いほど真剣に。
「おっぱいに顔を埋めさせてくださいっ!」
正面から特攻した。
だってじっくりと最善策を取れるほど余裕があれば、おもむろにおっぱいなんて発言す
るわけないじゃないかっ! ああもう一秒だって待てない! おっぱい!おっぱい!!
いつもの二倍のバカが加わって200万×2で400万パワーって感じかもしれないが気にす
るな。これ以上は増えない。たぶん、きっと。
そして馬鹿の代償の方は。
「も、もう。何いってるんですかいきなり!」
と流石に二度目はスルーしてくれなかった先輩の突っ込み。
具体的にはゴスッと俺の頭に突き刺さったお盆であった。
ちなみにパカンでなくてゴスッと表現している事からも判るとおり、お盆は角を下に振
り下ろされ、躊躇無く頭蓋骨にメリ込んでいる。今も現在進行形でギリギリと。
はははは、さすが先輩。テレテレな声のわりに容赦ねえなぁ……
で、そのあと。
畳に正座させられて洗いざらい事情聴取されてたりする。
「はぁ……それでお昼の視線が微妙におかしかった訳ですか……」
「おぅバレテーラ!?」
まあ洗いざらいというほど深い事情はまったくといって間違いない程に完璧になかった
ので、白状したのは主に俺と有彦のバカ超人強度の数々だったが。
ううむ、それにしてもやはりお昼の視線のズレは気づかれていたか。
シエル先輩恐るべし。
「本当に困った人ですねぇ」
それらの話を呆れ顔で聞き終えてから、先輩は大きく溜息をついた。
……しかし改めて話してみると、スゲエ馬鹿だな俺。
穴があったら入りたい気分とはこのことか。
それでも。
「でも先輩。俺は真剣なんです!」
何にかといえばおっぱいに。
今、俺は真剣に先輩のおっぱいに埋もれたいのだ。
「……そんな事に真剣にならないでください」
先ほどお盆が刺さった箇所に寸分のズレも無く、今度は先輩のチョップが正確無比に突
き刺さる。手加減はされているのだろうが、さっきと同位置の為にかなり痛かったりした。
たんこぶ位は出来てるっぽい。
だがそれにも負けず、俺はひたむきに視線を外さない。
やがて先輩はやれやれですねえと溜息を吐いて、顔を手で抑えた。間違いなく呆れられ
ている。
「まったく、もう少し手順とかムードとかをですねぇ……」
「待てません」
額にめり込んでいたその手を取り、両手でギュッと握り締め、こう、純真な少年漫画の
主人公チックな何の迷いも無いキラキラした目で先輩を熱く見詰め続ける。
この場合何の迷いも無くおっぱいというのも人としてどうか、と思うが、とりあえず
それは心に棚を作るとして。
「俺は、今すぐ、先輩のおっぱいが、欲しい!」
「どうして、そこまで、情熱的に、そんな台詞が吐けるんですアナタはっ!」
一言一言区切るようにして言い返されたりする。
そして、喜ぶに喜べないじゃないですかぁなどと言いつつ先輩は何か悩む様に顔を伏せる。
否、悩む様にではなく苦悩しているというべきか。流石に俺の台詞がバカバカしくも
ストレートに過ぎたらしい。よく考えれば、そりゃー今の台詞で口説かれるのは女として
プライド的に許せないものがあるわなぁ、とか。
とはいえ、口にしたことはもう戻らないし。
で。
散々悩んだ挙句、先輩は。
「…………おっぱいだけ、ですか?」
上目遣いにそう訊ねてくる。
私、怒ってますからね?というニュアンスをちょっぴり声に含ませつつ、そこはかとな
く期待しているのも感じられたりして、こういう時の先輩は、実はものすごく可愛い。特
にちょっとずれた眼鏡越しの上目遣いと相まったそれは反則的ですらある。
それでついついいぢわるしたくなるのだが今回は行きがかり上それはパスで。
しかしここで慌てて「あ、おっぱい以外も欲しいです」等と口走ると間違いなく拗ねて
しまうので言い方に注意が必要だ。
握ったままの先輩の手を改めて握りなおし、そっと顔を近づけて。
「先輩の全てが、欲しいです――」
――おっぱいも含めて。
耳元で悪戯っぽく囁いた。
先輩はしばらく吟味するように黙り込んだ後、くすぐったそうに囁き返す。
「まあ辛うじて合格点、にしておきましょう」
とりあえず赤点だけは免れたらしい。
/
日は既に傾きつつあって、西日が茶道部室にも差し込んでいる。
俺と先輩の他に人の気配はない。部室の外の廊下も、校舎の内も静まり返っている。
僅かに遠くのグラウンドから、運動部の掛け声らしき声が聞こえたるくらい。
そんな互いの息遣いも聞こえる部屋の中で、畳敷きの床に制服のベストが落ちるパサリ
という軽い音は、やけに大きく響いた気がした。
俺は期待に胸を膨らませながら、先輩が制服を脱ぐ光景を息を潜めて眺める。
ベスト一枚脱いでしまえば、白いシャツに形のいい胸を覆う下着の線がくっきりと透け
て見える。その下着のラインとシャツが張り付く身体の曲線が妙に生々しく、ドキリと
鼓動が早くなった。
続けて、先輩の細い指がゆっくりとシャツのボタンを外していく。
一つ目……二つ目。
首筋から少しづつ、あらわになる肌。鎖骨の陰影が放課後の日射しに照らし出され、
白い肌が赤く染まって見えていた。
三つ目……四つ目。
深い谷間と、薄い色のブラジャーが露出する。下着の色は赤光に照らされてよく判らな
いけれど、その下のふくらみが息遣いの度に上下するのが艶っぽく見て取れた。
五つ目……六つ――
「――あ」
その時、丁度お臍の上辺りのボタンを外していた先輩の動きが、ピタリと止まった。
そのまま顔を赤らめて下を向いてしまう。あまつさえ、外しかけた六つ目のボタンも
モソモソと掛けなおしてしまった。
……あれ?
「どうかしましたか?」
「い、いえ、その」
夕日の所為で判り難いが、その頬は赤く染まっている。
はて? と俺が首を傾げていると、先輩がおどおどと上目遣いにこちらを見上げた。
そして躊躇いがちに提案する。
「……やっぱりわたしの家で、にしませんか?」
そんな、ここまで来て生殺しなっ、ともう少しで叫びそうになったのを危うく留める。
落ち着け、深呼吸だ。しかし深呼吸しているのを気づかれてはならない。
でも何故だ、という疑問はある。確かにもちかけ方は最悪だったと思うが先輩もその気
になってくれたと思ったのに。現にここまで脱いでくれたんだし。
「何故ですか?」
なるべく平静を装いながら訊ねてみる。
先輩はやっぱり顔を俯けながら、それどころか座ったままの身体を小さく縮こまらせな
がら、五つ目のボタンをもう一度掛けるか掛けまいかと迷うように両手の指でモゾモゾと
弄びながら、やっぱり上目遣いに小声で答えた。
「……その、今日は体育があって……汗が……その」
そういえばお昼は体操服だったっけ。
ああ、だからその眼鏡越しの上目遣いは反則なんですってば。
その視線でお願いされると大抵の事は聞いてあげたくなる。でもそれ以上にもっと困ら
せてあげたくなってしまうのだな、困ったことに。可愛いから。
という訳で。
「気にしません」
きっぱりと答えて、膝で先輩ににじり寄った。
「で、でもシャワーを浴びてから……に、したいんですけど」
「一切、気にしません」
更ににじり寄って、近づく俺を押し留めようとするその手を握る。
そして、なんとか距離を取ろうとあたふた座ったまま後ろにずり下ろうとする先輩の腰
にもう片方の腕を回す。身動き取れなくなった先輩に、泣きそうな顔で見上げられた。
ああもう可愛いなぁ先輩。いぢめて光線ビシビシだ。
「わ、わたしが気にするんですよっ」
「もう待てないっ!」
「きゃっ――!?」
一気に押し倒した。
軽い音を立てて畳の上に折り重なる二人の肢体。俺と先輩の。
そのまま、見詰め合ったまま、重なる息遣いが一回、二回。
無意識に先輩の手を捜し、その指に自分のそれを絡める。
両の手を握ったまま、至近の距離から先輩と視線を交わす。咎める視線を受け止め、
眼で懇願する。
「――もう、強引なんですから」
やがて諦めた様に呟いた先輩が、身体の力を抜いてくれた。
俺の身体の下、先輩の肢体が俺のなすがままになる。
外したボタンの分はだけたシャツの合わせ目から、あふれる白い肌が俺を誘っている様。
「すみません」
あやまるけれど、止まれない。
開いたシャツの隙間にそっと顔を近づけ、そのまま先輩の胸へ顔を埋めた。
最初に感じたのは両の頬に当るブラジャーの肌触り。けれどそれは暖かく、はちきれそ
うなその内側の柔らかい膨らみを予感させる。下着に押し付けられた鼻先に、少しの汗の
香と先輩の匂いと暖かさをくっきりと感じる。
ああ、先輩の肌の匂いだ――
「あの……本当に、気になりません?」
「まったく。……んん」
恥ずかしそうに訊ねる先輩に答えつつ、眼鏡が落っこちないようにだけ注意しながら顔
をぐりぐりとブラと胸の谷間にこすり付ける。そのまま息を吸い込めば、肺の中が心地よ
く先輩の匂いでいっぱいになった。
先輩の背中に手を回し、ふくよかな胸を枕にそっと眼を閉じてみる。
トクントクンと先輩の鼓動がダイレクトに伝わり、暖かさと呼吸に応じて微かに上下す
る肢体が愛おしい。
ああ、確かに至福だなぁこの感覚……
幸せだ。
「ふふ。遠野くん、何か赤ちゃんみたいですよ?」
先輩に頭を撫でられるのも心地いい。
放課後の茶道部室で制服も脱ぎかけの先輩とあわただしく抱き合い、胸のふくらみに顔
を埋めている、今。あまりにも普通の恋人同士みたいで青臭いというか、甘酸っぱいとい
うか、照れ臭くもあるけど。
いや、でもこういう時間が貴重なんだよな、俺にも、先輩にも。こう、甘えて甘えられ
て過ごすあたりまえの日々が。振り返る過去を厭う気はないけれど、その延長にある今の
時間は宝石のよう。
このままずっとこうしていたい……と思わなくもなかったのだけれど。
そうするには、密着した先輩の肢体が扇情的すぎた。
胸は言うに及ばず。膝上までのスカートから伸びる脚も、くびれた腰も俺の身体と折り
重なっている。なにより呼吸をする度に俺の中に溜まっていく先輩の匂いが、オンナを
意識させるには十分だった。
身体の奥がトロ火に炙られる様に、ゆっくりと熱を帯びて行くような感覚。
その熱さに煽られるように、俺は舌を差し出してピチャリと舐めた。
「ン……」
胸の谷間を舐められた、先輩はくすぐったそう。
続けて、俺はブラに包まれたままのふくらみにハムッと噛み付いた。
ひゃっと声が上がるのも気にせず、俺はブラのカップをハムハムと咀嚼する。僅かに汗
を吸ったらしい下着が、唾液に濡れて染みを広げていく。
ちなみに、左側。
「――ンンっ。遠野くん、今、外しますから――待って」
「駄目です。そのままで」
ホックを外そうと背中に回される先輩の手を押し留め、そのまま胸に噛みつく。
中に胸のふくらみをたたえたブラジャーは何やら柔らかく甘い果肉を内に秘めた果物の
皮の様で、奇妙な食感を引き起こす。まるで皮ごと桃に被りつくようで、少し野生的に
興奮したりとかなんとか。
流石にむき出しのおっぱいにこんな風に噛み付いたりできないしなぁ、とハムハム。
「駄目って言っても、ブラをそんなベトベトにされたら、わたし、ノーブラで帰らなきゃ
いけなくなってしまうじゃないですか」
慌てる先輩の声に、ふと想像した。
「もう、先っちょがシャツにすれるじゃないですか」とか言いながらちょっと涙目で俺
を非難しつつ夜道を家に急ぐ先輩。しきりに胸を気にして、時折押さえたりして頼りなげ。
ベストを着ているけれど、その下のワイシャツには先端のポッチが浮き出ているだろう。
当然俺は家まで送っていくとして……
……いいなぁ。実にいい。送り届けた後、もう一ラウンド行ってしまいそうだ。
で、とりあえず聞いてみた。
「シエル先輩。先輩にそんな事言われたら、俺が何を考えると思いますか?」
「え? え?」
シエル先輩は戸惑いながらちょっとだけ考えて。
伺うように、でもおもむろに。
「……こうなりゃブラもパンツもベタベタにしてノーブラノーパンで帰らせてやるぜ?」
「先輩が俺をどういう目で見てるのか聞かせてもらいたいなっ!」
すっかりエロキャラと認識されていた。
いや、エロというよりも更に一歩踏み込みすぎてHentai的な位置づけされてる気がする
のだが気のせいか?
先輩は俺の叫ぶ勢いに身をすくめながらも、確認を取る。
「じゃ、じゃあそんな事はしないんですね?」
「絶対に実行しますけど何か?」
間違いなくHentaiの所業だった。
だってそんな図を先輩で想起させられたら、我慢出来る訳ないじゃないか。魂が、魂が
ノーブラノーパンで羞恥に悶えつつ歩く先輩を求めるのだ。送り届けてから三ラウンドは
堅いぜっ。
しかし、もはやさっきの甘酸っぱさとか欠片も残ってねえよな、とか思いつつもう一度
ブラにしゃぶりつく。パンツは後でベチャベチャにしてくれよう。
返答を聞いた先輩は溜息を吐きつつ呻くように。
「どうして、あなたはこう……ムードもへったくれも無い上に……」
「愛の為せる業です。愛の」
それに今の件に関しては、酷いのはお互い様だと思うのだが。
まあそれについてはとりあえず置くとして。
今は、目前のおっぱいに専念する事にした。
布地の上に力強く舌を這わせるとその下の柔肉が形を変えていく。
舌先に神経を集中すれば、ふくらみの頂上に果実の芯があるのを感じる。
厚い生地の上からその芯に軽く歯を立てた。
「ク、ゥン」
僅かに先輩の口から吐息が漏れる。
けれど濡れたブラが滑り、噛みついた歯の間から逃げていく。それを承知の上で生地の
上からしゃぶりつき、布の下の芯を転がす。
先輩は時折艶っぽい声を上げるけれども、回された手が俺の頭をその胸にギュッと押し
付ける。判ってはいたが、もどかしいらしい。
今日先輩が付けているブラは布地が薄くて今にも透けそうなものという訳ではなく、
ちゃんとカップが付いているものだ。厚くはないが、それ相応の生地ではある。
その上からの愛撫では、もどかしいのも当然だろう。
けれどあえてその上からの愛撫を重ね、布地を唾液でベトベトに濡らしていく。布切れ
を舐めた感触と、舌先だけに残るその下の突起の存在。間接的にしか感じ取れないじれっ
たさがますます俺を駆り立て、執拗に胸への愛撫を繰り返させた。
そして今まで手付かずの右のふくらみを不意に握り締める。
「ン、ン……」
苦悶にも似た喘ぎと共に、ブラジャーに包まれた膨らみが柔らかく形を歪ませた。
手の中に残るブラの布地の感触と、通して伝わる先輩の体温、手に納まりきれない大き
さ、餅の様なむっちりとした柔らかさ。そいつに指を滑らすと、布地からはみ出た肌の
手触りにゾクゾクとする。これでは、隠されたところはどれほどの手触りなのか。
直接に触れられないこの状態での愛撫は、宝箱をワクワクと撫でまわすイメージがある。
もちろんもどかしげに身をよじる先輩が可愛くて、ついつい焦らしてしまってるというの
もあるけれど。
先輩は俺の頭をギュッと胸に押し付け、無意識なのか、しきりにスカートから伸びる
その脚を俺に擦りつける。感じるそんな可愛い仕種についつい口元がほころんだ。
ブラと素肌の境目をなぞり、双方に濡れた跡をつけつつ舌を這わせる。鼻先でシャツを
かき分けていくと、鼻腔に先輩の匂いが充満する。溢れる先輩の匂いが胸を焼き、ジワジワ
と自分の身体が昂ぶりを覚えていくのを感じながら、布地からはみ出た肉を啄ばんでいく。
先輩の息遣いに時折混じる、抑えた声が耳朶を打つ。
焦れながら、焦らしながら、先輩の肌に舌を滑らせる。そんな行為に興奮する。もどか
しく手で口でブラの下の柔肉をまさぐりながら、俺自身が固く勃起していくのを感じてい
た。自覚がますます俺を欲情に駆り立て、包まれた柔肉にむしゃぶりつく。
しかし流石に我慢しきれなくなって、ブラの端を咥え引っ張っり、ずらそうと試みた。
けれどこれは簡単には外れない。意外としっかりしたものなんだなブラジャーって。
「あ……外す、んですか?」
瞑られていた先輩の目が薄っすらと開き、その手がゆるやかに背中に回る。
その動きを押し留め。
「俺に外させてください」
代わりにその背中に手を差し入れた。
先輩は抵抗すること無く、心持ち身体を浮かしてくれる。その隙間で俺の指が背中を
まさぐる。
何時だったか、先輩がブラを外すところは見たことはある。
というか、真剣にじいっと注視していたら顔を赤らめた先輩に手元のクッションを投げ
つけられてしばし廊下に追い出され……いや、それはこの際どうでもいい。真っ赤になっ
たうなじがすこぶるつきで云々もとりあえず置いて。
確か――
「……ん、そう、そこを」
シャツの上から先輩の誘導に従って、ホックを弄る。
ひょっとしたらシャツを脱いでもらわないとダメかと思っていたけれど、これならなん
とかなりそうだ。ひっかかけてある作りだから、こう……と。
指先にぷつっと何かが外れる感触があり。
弾ける様に、ブラが先輩の胸から浮き上がる。
何故か少し喉が渇いた気がして、俺はゴクリと唾を飲み下し、そして慎重にその浮いた
端に噛み付いた。理由はといえば特に無い。ただこの先輩の胸を覆っていた布切れを、
手で外すのは何か違う気がしただけだ。
そのまま引っ張ると、先ほどとは違い、ブラはするりと胸から外れる。しかしその構造
上シャツを脱いでもらわないと完全には脱げないので、ずれるだけ。
でも、ずれるとその下の胸の膨らみが露になる。口に咥えたブラジャーに引っ張られ、
支えを失った胸が大きく弾んだ。
皮を剥いた汁気あふれる果実。直に見る先輩の胸は、とても柔らかくて美味しそう。
「何か、ワンちゃんみたいですね?」
「うぇ?」
ふと鼻先を指でつつかれて、自分を見直してみる。
まだ唾液でベタベタにしたブラジャーを口に咥えたまま、そいつで遊ぶように引っ張っ
ている。多少興奮している所為か鼻息がちょいと荒い。
……なるほど。主人の靴やサンダルを咥えて行ってしまうワンコのイメージだ。
言いえて妙かもなどと思いつつブラを離し、再び先輩の胸に顔を埋めた。
ちなみにこの間にどうせワンワンのイメージならとまだ暖かいブラの裏側に鼻先を突っ
込んでクンクンと匂いを嗅いでみたらコメカミぐりぐりの刑に処されたりしたが、割愛。
まあそれはさておき。
同じシエル先輩の、同じふくらみ。さっきと違うのはブラの有る無しだけ。
だというのに。
だというのに、何故こうも感動が違うのかっ。何か前にもましてすっげー幸福なんです
けどっ。
なんといっても肌触りがシャレにならない。暖かいすべすべで、少し顔を動かすだけで
ふかふかふにふにと形を変えるひたすらに柔らかくて暖かいふくらみに顔を摺りつけると、
自然に頬が緩んでしまう。まさに至福の夢見心地である。
先輩の手が俺の頭に回されると、おっぱいが左右から俺の方に寄せられて更に倍。
――うむ。我が悪友よ、おまえは正しかった。だがこの至福は決して分けてやらんっ。
「で、これで幸せなんですか遠野くんは?」
「幸福至極」
満更でもなさそうな先輩に、完全に緩みきった顔を隠しもせず答える俺だった。
そのまま眼を閉じて先輩の胸を堪能する。
ゆっくりと頭を撫でられるのが、心地いい。
でも。
鼻腔を擽る匂いが、直に伝わってくる鼓動が、髪を撫でる指の感触が、俺をゆっくりと
満たしていく。重ねた身体の体温が心地よすぎて少しづつ心臓が早くなる。もっと多く、
もっと深く。もっともっと、もっともっと、と。
それはそうかもしれない。
だってさっきの俺は先輩のおっぱいに恋焦がれていたけれど、俺自身は何時だって先輩
の全てが欲しいんだから。さっきの口説き文句はその場しのぎの嘘では、決してない。
とりあえずおっぱいを堪能したら、『その次』が欲しくなるのは理の当然だった。
もちろんもう少し堪能してからだけど。せっかくブラを脱がしたんだし。
そんな訳で、更なる幸福の探求を開始する。まずは――
目前の果実にくちづけた。
だって、あんまりにも美味しそうだったから。
「ン、ふ」
先輩のくすぐったそうな声が聞こえる。
口に伝わるその触感は柔らかく、水気があって、一口ではとうてい物足りない。
だから俺は、くちづけを繰り返す。軽い、その肌を味わう為のキス。谷間に。裾野に。
柔らかく弾むふくらみが、全てのキスを受け止める。
「ふぅ、ア、ん」
くすぐったそうだった先輩の声が、少しずつ艶っぽく変わっていく。
無意識にか頭に回された腕に力が込められ、俺をその胸に押し付けていく。
俺も逆らう事無くキスを降らせ、そのふくらみにすりつけた。頬が、鼻が、先輩の胸に
埋もれる。充満する昂ぶる匂い。唇でそのやわらかさを啄ばみ、ムニムニと堪能する。
吸い付いて離せば微かに残るくちづけの跡。
その薄い紅に吸い寄せられるように、憑かれたように更なるキスの雨を降らせる。
「ン……好きですね、ソレ」
「――ええ」
たまらなくそそるのだ。
先輩につけた俺の唇痕を見る事が。
その薄っすらとした朱が日仏ハーフの先輩のつき抜ける様に白い肌の上に残るのを見る
と、扇情的すぎてたまらなくなる。自分が所有欲が強いと思った事はないのだが、それで
も先輩の大事な所に俺のシルシをつけていくのは、堪えられない悦楽だった。
幾度つけても、幾つつけても、飽きる事がまるでない。逢瀬の都度、先輩のあちこちに
俺の唇痕が残る。
――正直に言うなら、実は少しだけうしろめたい。
俺の身体に先輩の唇痕が残った事は、一度も無いから。
鈍感な俺がそれに気づいたのは、不用意に首筋に唇痕をつけようとしてビクッと先輩が
震えた時。震えさせてしまった時。
その行為が何をイメージさせたのかなんて言う必要も無い。それが、恐らくは先輩の
吸血鬼であった頃の記憶に起因しているだろう事を理解していながら、今日も俺は欲求に
負けて先輩の肌に朱を残す。何も感じないはずも無い。
けれど止めるつもりも無い。一時はやめようかとも思ったがその魅力には勝てなかった
し、変な気の使い方をしたくもない。愚鈍な俺が気を使っては、先輩にはきっともろバレ
してしまうし。それよりは、痕を一つ付ける度に抱きしめてあげる方が俺の性にあってい
た。
だから今回もギュッと先輩を抱きしめる。
ここはかつての惨劇のフランスの片田舎ではなく、先輩は今俺の腕の中にいますよ、と
先輩に伝える為に。いつか先輩が躊躇いなく俺に唇痕を残せるようになって欲しいから。
だって、俺はこの行為が好きだし。先輩にそれをしてもらえないのは、何か悔しい。
というわけで、ギュー。
「? もっと強く、ですか?」
……いえ、違うんですけど。
さっきよりもっと胸に顔を押し付けられながら、心の中で突っ込みを入れた。
まあいいか。我ながら俺の考えすぎな気もするし、あるいは先輩が判っててとぼけてる
のかもしれない。とりあえずおっぱいに顔を埋めつつこれはこれでよしとして。
しばし、この抱きしめられた状態を堪能する。
頬に感じる柔らかく暖かいふくらみが潰れる肌触りと、耳に直接響く規則正しい心音。
シャツも、ブラジャーも半端に脱ぎかけで纏わりついているのが扇情的。
ちらっと目を上げると、眼鏡をしたままの先輩と目が合う。回された手が、俺の頭を
ゆっくりと撫でるのが心地よかった。重ねた身体はあくまで暖かく、優しく、抱擁されて
いる事に陶然とする。
好きな人の体温ってのはどうしてこう心地いいのだろう。夕暮れの赤光が染めるこの
部屋はまるで二人きりの世界のようで、ますますヒシッとくっついていたくなる。そう
思った為か目前の果実を口に含んでいた。
水気の多い甘い果物の、その中央の芯を。
俺は口に含んだそれを吸う。もちろん吸っても母乳が出るはずも無いけれど。
その代わり先輩の甘いうめきが耳朶をくすぐった。
無理も無い。ここまで散々胸だけを、しかもブラの上とかから弄くりまわしていたんだ、
かなり焦れて敏感になっている事だろう。
というわけで。
シエル先輩のその突起を甘噛みした。
歯の間に感じる、堪らなくゾクゾクとする感触。俺の下半身を直撃する淫らな味覚。
「ひあッ」
待ち望んだ、けれど強すぎる感覚に先輩が小さな悲鳴を上げる。
そっとその表情を伺うと、目を瞑って何かを堪えている様だった。
ちょっと噛み過ぎたかと反省し、今度は舌を優しく這わせる。圧せば形を変える膨らみ
の、既に色づいているその先端を下から上に舐め上げて行く。白い肌が艶やかに色を変え
る所から固く尖った大ぶりのその先に至るまで、ゆっくりと丹念に、味わうように。
細かく震える先輩の声を窺いながら、舌の愛撫を強めていく。
「ん……あ、ン」
堪えかねるように先輩が身をよじるけれど、俺の頭に廻された両の腕は離れない。だか
ら俺は柔らかく逃げる果実をチロチロと舌先で追い回す。先ほど噛み付いた痕を撫でる様
に、舌先を何度も小さな敏感な箇所で上下に往復させていく。執拗に、念入りに、鼻先を
おっぱいに突込むようにしてその一点だけを舐め続ける。
その代わりという訳ではないけれど。
先ほどブラの上からしたように、掌全体でもう片方の膨らみを包む。途端、手の平に肌
が吸い付き、ほとんど抵抗も無く五本の指先が柔らかさの中に沈んだ。でも頼りないわけ
じゃなく、掌から零れた張りのある肌が肉の弾力を伝えていた。少しずつヤワヤワと、
逃げるおっぱいを撫で回す。その滑らかで艶やかな肌触りと比較すれば、自分の手がやけ
にゴツゴツしているような気がして、いつも少し躊躇ってしまうのだけれど……
「もっと、強く……して」
「――はい」
途切れ途切れの先輩の囁きに従い、思い切ってギュッと握る。
指が肉のふくらみに埋もれ、かすかに痕を残す。そして手の中心に感じる、突起物の
感触。そう、今俺が口にしているのと同じモノの。シエル先輩の、昂ぶった、疼いてる、
オンナの、自然な、エッチな、生理現象。掌に感じるそれを、すり潰すように手指を蠢か
す。まるで蛇が女体を這うような、我ながらいやらしい手探り。
まさぐる指と肌を這う舌先で、先輩の胸を一心不乱に貪っていく。
自然、先輩の呼吸が乱れていく。同時に俺の息が荒くなるのも自覚していた。エサを貪
る獣のイメージが脳裏をよぎる。ああ、まったくもって相応しいとも。なにしろピチャピ
チャと音を立てて執拗に美肉を舐めしゃぶってるんだから。
「ハッ……ハッ……」
吐く息と一緒に自分の理性が溶けて行く。
抑えていたのは、焦らされていたのは先輩だけじゃない。これでこの状態で興奮するな
という方がどうかしてる。ズボンの中はとっくにはち切れそうになってる。下着と制服の
ズボンを通して先輩の脚に硬いモノが当ってる。触れる先輩の脚がキモチイイ。気持ちい
いけどもどかしい。そのもどかしさを直に触れてるふくらみにぶつける。
吸い付いたまま、引っ張るように首を振る。同時に、もう片方は撫で上げるように優し
く軽やかに擽った。
「アッ……くぅ、ふぁぁ……ん」
堪えかねるように漏れる先輩の声。艶めかしく、愛おしい。
押し込められた熱が、欲情が、息遣いが、俺の耳にはやたらと扇情的に淫らに響く。
口を離すのも惜しいおっぱいに顔を埋めながらそっと伺う先輩の表情が、悩ましすぎて
たまらない。
それでも息をつこうと先輩の胸から口を離すと銀の糸がツゥと間を繋ぎ、そしてその肌
へと落ちる。今まで咥えていた其処は俺の唾液にまみれ濡れ、ぷっくりとした先端が息づ
くように鮮やかな艶を増していた。男であれば、魅かれないはずもない、造形。食い入る
様に目が動かない。下半身を滾らせる、ソレ。
先輩の呼吸にかすかに合わせて上下するふくらみから、俺の唾液がついと一筋流れ落ち
ようとする。引き付けられるようにその雫を舌で掬い上げ、先端へとまぶしなおす。そし
て、音を立てて一気に吸い上げた。
「ひ、あ――あ――」
先輩の背中がのけ反る。
でも逃がさずに吸い続ける。先輩の手も俺の頭を離さない、かき抱く。
口に含んだそれに軽く歯を立て、舌を絡ませ快感を送り込む。
力を入れすぎてかズルッと頭から滑り落ちた先輩の指が俺の背中を掻きまわる。
無意識に、俺の手にも力が入ってしまう。その手にしたふくらみが握り潰され、形を変
える。
息の続く限り乳房を吸い続け、吸い続け、そして離した。
力の抜けた先輩の肢体が畳の上に横たわり、俺はその上で辛うじて身体を支える。
しばらくは荒い息を吐く事しかできない。俺も、先輩も。
僅かの後、ようやく息が少し鎮まったのでもう一度先輩の胸にチュッと軽いキスをした。
「は、フゥ……わたしの胸、堪能しましたか?」
「ええ」
思う存分味わったと言っていい。
それでも、もっと、と言われればまだ幾らでも愛で続ける事は可能だが。先輩のおっぱい
に飽きる事はない俺である。
「いえ、それはちょっと勘弁して欲しいのですけど」
先輩は少し困ったように微笑んだ。
流石に延々とおっぱいだけというのはダメらしい。
「で、ですね……そろそろ、その……」
頬を赤らめ、恥ずかしがりつつ先輩は自らの制服のスカートのジッパーをその手で下ろ
す。で、そのままこっちを伺うようにねだるように見上げてくる。その意図する所は明白
で言うまでも無い。ああ可愛いなあ先輩のこういう表情。これだから「遠野くん、いじわ
るです」って言わせたくなるんだよなぁ。
が、今日は大人しく従う事とする。俺のほうも下半身が大変な事になってるし。
なので、未だ胸をまさぐっていた指を先輩の肌に沿って滑らせる。
「クフ……ん」
擽ったそうな喘ぎを耳にしながら、肋骨に触れる。そのまま白磁の肌の上を滑らせ、
くびれた腰から俺の手がスルリとスカートの中へと消えた。先輩がジッパーを下ろして
出来た隙間に差し込んだので、ここからは手探り。
横たわる先輩に添う形でそうやって手を伸ばすと、自然、俺の顔の前に先輩の胸が来る。
という訳で、やっぱりそれを啄ばまない訳にはいかないのであった。
「また……いえ、いいですけど」
そこまで気にいりますかねぇ、とまた困った様な顔をする先輩。でも今度は嫌がってる
のでは無くむしろ満更でもなさそうなのでオッケー。ムニムニと口と舌を動かして堅く尖
った先端を愛撫しつつ、指先の感覚に集中する。もちろん裾のほうから捲くればそんな指
先の感覚に頼らなくても良いわけだが、せっかく先輩が隙間を作ってくれたのだ、そこか
ら手を差し入れるのがロマンというものではないか。女性のおっぱいに至福が詰まってい
るのと同じくスカートの下には男の浪漫が潜んでいるのだ、と断言しよう。断言した上で
力説もしよう。
……いや、先輩は「脱がしてください」って言ったつもりなのは判ってるけどさ?
しかし愛しい人のスカートを自らの手で脱がす事と、そのスカートの中に手を入れてまさ
ぐるのとは同等のロマンを秘めているのであって、今日の俺はせっかくだから後の方を選
ぶぜという欲求に駆られていたのであった。前言を簡単にひっくり返すが、実の所まった
く大人しく従う気はネェ俺である。
まあそんなふぇちぃ話はさておき。
相変わらず先輩の胸に舌を這わせながら、伸ばした手の感触に没頭する。
お腹の中心、可愛いお臍の辺りから真っ直ぐ下にシュルリと忍び込んだ指が、狭くて暗
い隙間を這い進む。すぐに指先が下着の肌触りに行き当たった。もちろん見えてないので
色も形も判らない。けれどそれが、妙にそそる。見えない所で先輩が履いたままの、移っ
た温もりもそのままのショーツをまさぐるのが。だから指先でスカートの中のそこかしこ
に触れて回る。
まずは下腹部を撫で回し、それからもう少し指を進めた先を引っ掻く。下着が無かった
ら、先輩の淡い毛を撫でているだろう辺り。
「うう、ん……」
先輩がくすぐったそうな声を漏らす。でもどこか色づいた、甘ったるい声。
まるで楽器を奏でるように梳り、そんな声を漏らさせるのはとても好き。でも今は挨拶
だけして、そのまま指を進めていく。
――今度大きな弦楽器を爪弾くように先輩を膝に乗せ、指先と舌で奏でて甘い声をたく
さん聞かせてもらおうか。
とちょっとだけ夢想した。
きっと最後は椅子に座った俺の膝の上で、先輩の身体が跳ねる事になるんだろう。対面
に抱き合い、先輩の胸に顔を埋め、腰を揺すりあうような。制服の上を捲り上げるのがい
いかな、なら場所は放課後の音楽室がいいなぁ。
そんな事はすぐ思いつくのだが。
波長が合ったというか、どうも先輩と付き合いだしてから妙な性的嗜好に磨きがかかっ
たような気がしないでも無い。真剣に嫌がられなかったら、まあそのうち本当にやってし
まいそうだなコレ。
でも、今は目の前にもっと楽しい事がある。
指先はショーツを乗り越えて先輩の脚に到達する。
身を捩るように擦りあわされる両の腿の間に手を滑り込ませ、すべすべした脚に挟まれ
る感触を味わう。おっぱいの柔らかさとはまた違う、なまめかしい淫らな手触り。むっち
りと量感を持った圧力に思わず唾を飲み込んだ。
「少しだけ、脚を開いてください」
「ンん――」
喉元を撫でられる猫の様に目を細めて、先輩はその脚から力をぬく。
気だるげな仕種で俺の背中に手を回し、少し片膝を立てて俺の動ける隙間を作ってくれ
た。
その隙間で、先輩の脚の感触と熱を掌全体で撫で回す。それが、ひどく心が躍る。スベ
スベの肌触りもさることながら、自分が淫靡でいやらしい手つきで先輩の微妙なところを
撫で回し、反応を窺っているというシチュエーションが堪らない。狭いところで手指を蠢
かせ、時折先輩の肝心な所に当るとかすかな喘ぎが漏れていた。先輩の脚に力が入れば、
俺の手がしなやかで僅かに汗ばんだ腿に挟まれる。その感触が、熱くて力強い脚に挟まれ
る感覚が、皮膚の下の肉のうねりが俺の意思を追い詰める。しゃぶりつけ、嘗め回せ、両
の手で広げ、眼下にし、一気に突きたてろ、と喚きたてる。
けど。
執拗に撫で回しつつ、はやる気持ちを抑えてジッと待つ。
何を?
「は、ぁ……と、遠野、くん……」
「はい?」
先輩が堪えきれずにソレをねだってくるのを、だ。
わざと、いったい先輩が何を言いたいのか判らない、といった風を装って。
すでに堅く充血しきった乳首を未だ丹念に舐りながら、目だけを向けて答えを待つ。
「その……ひゃん!」
わざとその瞬間を狙って、ショーツの底を爪でカリリと微かに引っ掻いてみた。
反射的にか、俺の手はギュッとその脚に挟まれる。それが、止める為か逃がさない為な
のかは、判らないが。ただ、痺れるような興奮が俺を襲ったのは確かだった。
「ん? 何ですか先輩?」
ニッと笑いつつそう訊ねてみたりする。
もちろんわざとだ。そして、それが判らない先輩じゃあない。
「もう……そんなにわたしで遊ぶのは楽しいですか?」
「すっごく。可愛いですし」
ある意味誤魔化し、ある意味本心。
そのすねたような困ったような顔が、俺は凄く好きだったりする。もちろん、先輩に触
れて回るのが純粋に楽しくもある。
今はとりあえず、先輩におねだりしてもらいたいだけ――
――だったんだけど。
「いいですよーだ。じゃあ、わたしも遠野くんで遊びますから」
あれ、変な方に転んだ。
と、思う間もなく俺の頭は先輩の両の手に挟まれ、持ち上げられた。
「と、わわっ」
今も俺の片手は先輩の足に挟まれたまま。むしろ、さっきよりもギュッとされていて
逃げられない。自然、バランスを保つ為に、残った片手で身体を支える事になる。
なんとか身体を支えて様子を伺うと、先輩は微笑んでいた。ただし、いかにも裏があり
そうなにこやかさ、で。
……ああ、ハイハイ。いぢめ過ぎたので攻守交替ということですね。
俺と先輩の場合、エッチの最中に調子に乗りすぎるとペナルティ代わりに主導権を取り
上げられる、という事が往々にしてある。たいていは俺が取り上げられるのだが、時々逆
の場合もあったりする。いや、なんというかアレやコレやしたりされたりするのが楽しい
もので、その。
観念して何をされるのか待っていると、先輩の顔がゆっくりと近づいてくる。
キスをされるのか、と思ったがそれはハズレ。
「ハム、ん……」
耳たぶを柔らかく啄ばまれる。
唇に優しく啄ばまれる感触が俺を襲い、ぞわぞわと背中に鳥肌がたった。
ぬらぬらとした舌がいやらしく這い、熱く濡れた吐息がダイレクトに降りかかる。
うっかり力が抜けそうになって、身体を支える手に力を込める。
更に。
「……っ!」
「ふふ、ズボンの上からでもよく判りますね……」
先輩の膝が僅かに動き、手を解放してくれる代わりに俺の股間をぐりぐりと擦ってくる。
そしてそれを耳元で、甘くていやらしい、欲情したオンナの声で囁かれるのだ。直接
間接の刺激が堪ったものではなかった。
「ふふふ、どうしたんですか遠野くん。ほら、わたしにいやらしい事を言って欲しかった
んでしょ? 言ってあげますよ?」
片手で俺の頭を抱えながら先輩の手がついと伸びて、その脚に挟まれていた俺の手を取
る。そして、俺の指はショーツの底に押し付けられた。
さきほどまで焦らす為にあえて触れないようにしていた其処は熱く、じっとりと濡れた
布を通して先輩の昂ぶりを伝えてくる。
幾度と無く触れた事があるのに、否、幾度も触れて舐めてねじ込んでその中を知ってい
るからこそ、今自らが触れている淫唇の感触がまざまざと蘇り、俺自身がズボンの下の
窮屈さに喘ぐ。その蠢くのを感じ取ってか、先輩はクスリと微笑んだ。淫らに。
そして俺の手を少し引いてから改めて進ませる。
ゆっくりと俺の指をショーツの下に潜り込ませながら、囁いた。
「遠野くんのも後で愛してあげますから、今はこっちに、ね。わたしの――に」
本当に耳元で、微かに、その箇所の卑猥な言い方を、一音節毎に区切るように、先輩の
唇が紡ぐ。
そんな言い方をされて逆らえる筈もなかった。
ゴクリと唾を飲み込みながら頷くだけで返し、そして俺は先輩の言うがままに指を進め
る。先輩の叢の上を通り、その場所へ。
先輩の両の膝がゆっくりと立てられると短いスカートが捲くれ上がり、脚のギリギリの
所までが露に成る。そして見せ付けるように開かれていくその隙間に、俺の指がぬるりと
滑り込んだ。
「あふ……」
待ちかねた接触に、先輩が切ない吐息を漏らす。
指に触れるそこは熱かった。トロリと濡れていて、俺の指に纏わりつく。熱くいやらし
く蕩けた、オンナの、男を求める入り口。そこを俺の指に委ねた先輩が、全身で俺の身体
に絡みつく。胸が、脚が、先輩の匂いが俺を捕らえて離さない。
そこに触れた瞬間から、部屋にオンナの匂いが溢れかえった気がした。
耳に押し付けられた唇が掠れた声を俺に囁く。
「どうですか? わたしの――は」
また秘密事めいた、悪戯ではしたない戯言。
囁きに誘われるように、神経が指先に集中する。今よりももっと先輩を感じようと撫で
回す。グチュリと小さな水音がして、熱い淫蜜と秘肉が俺を包む。その指に触れる感触に、
ありありと想像できる悦楽に、出番を待ちかねる俺自身が滾るよう。
ぞわぞわとした焦燥が俺の奥底で胸を焼く。頭が欲情に染まりきる。渇望にも似た欲求
が俺を襲い、入り口の扉を探らせる。
「そう、そのまま奥へ、ね?」
乾いた喉が上手く動かせない。飲み下す唾すら浮ばない。
鼓動はとっくに限界を超え、手が震えているような気さえする。
その誘いに応える俺の声は掠れて聞き取り難かったがそんな事はもうどうでもいい。
憑かれたように一本の指に力を込める。
それだけで、それはヌルリと先輩の秘奥へと飲み込まれた。
「ふ、あぁぁぁぁ……ぁン」
先輩の喘ぎが、耳朶を蕩かす。
今どんな顔をしているのか、無性に見てみたいと思った。
けれど俺の頭を抱いた先輩の腕は離れてくれず、ただ淫悦に満ちた息遣いが耳にかかり、
柔らかくて熱いオンナの肢体が俺にすり付けられてくる。
視界に映るのは畳の目と先輩の髪の端だけだけれど、鼻腔をくすぐる先輩の僅かに汗ば
んだ匂いが、耳朶を打つ切ない喘ぎが俺の精神を蕩かしていくよう。肌に感じる体温が、
触れ合う肢体の柔らかさが、指を埋めた其処のその蜜が、全て極上の媚薬のようで。
俺にだって余裕は無い。
火花が散る様な意識をかき集め、先輩の膣中へと差し入れた指を出し入れする。まるで、
それが俺自身であるかのようにイメージ。
耳元の声が大きくなり、ギュッと抱きしめられる。先輩の背が反り返り、俺を少しでも
奥へと招いている。それでいて俺の手を導いたままの手は俺の腕を引かせる事なく柔らか
く誘い続けている。
ショーツの下で淫らな水音を立てさせ、指一本で先輩の身体をくねらせさせてはいるが、
それでもこの場の主導権は先輩が握ったまま、という気がした。
でも、それでも構わない。
夢中で先輩の中を掻き回す。溢れる熱くて粘い蜜に塗れさせ、肉の壁をこじ開けて、
先輩の裏側をすり続ける。ひと掻き毎に先輩の肉襞は蠢いて絞り上げ、これが俺自身であ
ればすぐに堪らず射精させられてしまいそうな予感を感じさせる。
一度指を引き抜いて、それから一気に根元まで突き入れる。小さな悲鳴じみた嬌声と共
にむき出しの胸が俺の胸板に押し付けられ、俺も制服を脱いでおけばよかったかとちょっ
とだけ残念に思った。その代わりと言う云うわけでは無いが中を探るように指の形を変え、
軽く曲げたままでスライドさせる。
「ひ、あっ、そこ、其処は弱い、んですっ」
お腹の裏側を引っかかれて、先輩が夢中の声を上げた。
肉壁がギュッと締まり、俺の指を幾重にも食い締めて離さない。その中で強引に動き、
襞を掻き分けて先輩の快楽と淫悦を生み出していく。ねっとりと絡みつく蜜がそれでも
潤滑に指を潜り込んだ指を滑らせ、押し出されてお尻の方に垂れていく。
俺を奥まで迎え入れる為にか大きく割り裂かれた両の脚は折りたたまれ、スカートは捲
りあがっている。見る者が居れば、むき出しでグショグショに透けるショーツの下で蠢く
俺の指と、丸いお尻を溢れて零れ、畳を変色させる愛液の淫蕩な光景がありありと見えた
ことだろう。
幸いにしてこの夕方の茶道部室に近づく物好きは居はしないが。むしろそれなら見られ
るかもしれないと囁いて、先輩が羞恥に悶える様を見てみたい。
なら――
「脱がせますね?」
ショーツは無いほうが羞恥は高まる。
辛うじて聞こえるだけの声を絞り出し、そして一度指を引き抜く。未だに湯気が立つほ
ど熱く濡れた自らの指で先輩のショーツに触れた。
そして、一瞬だけ考える。
さてショーツだけ脱がせるか、それともスカートも共に脱いでもらうか?
すぐに答えは出た。捲れあがったスカートの下、腰から下には靴下しか履いてない先輩
に挿入するというのが凄くイイ。
なのでショーツだけ脱がしてしまおうとスカートの隙間から一旦手を引っこ抜く。
そして改めて、と伸ばした手を先輩に止められた。
訊ねる俺の視線を、一呼吸、二呼吸整えてから見返し、
「ちょっと待ってくださいね。自分で脱ぎますから」
「ええ……?」
俺から少しだけ離れ、身体を起こした先輩にそう言われて、俺は露骨にがっかりした声
を上げた。
だってパンツである。ここはパンツを脱がす所である。
漢の浪漫を満たす為に存在すると断言してもいい筈の、下着に手をかける場面である。
俺がショーツの両端に指をかけて下ろそうとするのにほんの少し腰を浮かせて協力して
くれるという二人の共同作業の末に白い靴下だけを身につけた先輩の下半身が俺の目に露
になってその扇情的な様に興奮した俺が口で羞恥攻めにしつつジッパーを下ろして猛り狂
うブツを引っ張り出しつつ恥らう先輩の両の脚を担いで一気に、という場面ではないのか?
いや、そうでなくてはならない筈だ。男として。ここでのポイントは俺の手で下着を脱が
す点にあって、それが許されないと男の浪漫は半減といってよく、早い話が満たされない。
何故、ここでオアズケを喰らわねばならんのか。
「だって、遠野くんさっき言ってたじゃないですか。パンツもベタベタにしてやるって」
「はぁ。まあ、それらしい事は」
自分でショーツをずり下ろしている先輩を指を咥えて眺めつつ、俺は気のない返事をす
る。というか、既にあのショーツは十分以上にベトベトに濡れてると思うのだが。
そんな俺を気にするでもなく先輩は、遠野くんにまかせるとですねー、と言葉を続けた。
やれやれ、俺に任せるといったいどうなると言うんです?
投げやりにそう言った俺に対する先輩の返答。
微妙に視線を逸らしつつ、
「……いえ、何かおもむろにパンツ顔に被ってフォォォォッとか言い出しそうな気が」
「俺は一体どこの『究極! Hentai仮面』ですかっ!?」
Hentai的位置づけもここに極まっていた。
的というか、正にそのものだ。
本当、いったい俺は先輩に何だと思われてんだ? 話の流れによってはエッチとか
スケベとか性欲過多とか淫獣とかくらいは言われて言い返せなかったりするかもしれない
が、何故よりにもよってソレデスカ。
というか、ココに来てそんな心配してたんですかアナタ。ムードもへったくれもないの
はお互い様というかむしろ今のタイミングは先輩の方が酷いと思うぞ。
盛り上がった雰囲気の台無しっぷりもここに極まっていた。
「流石にそれは勘弁して欲しいなぁ、と思いまして」
「勘弁して欲しいのはこっちです……」
スルリと抜き取った自らのショーツを指に引っ掛けて弄びながら言ってのけた先輩を
ジト目で非難してみる。確信犯らしき先輩は、何処吹く風だか。
「でも、パンツとブラをベトベトにしないと許してくれないんですよね?」
「許さないというか、何というか」
むしろ、俺はいま猛烈にこの人を許しちゃいけない気がするのだが。
しかしここからいったいどうすると?
「そこで、こうしましょう」
膝と両手をついた先輩がにじり寄ってくる。
その仕種が何やら獲物を狙う肉食動物めいていて、けれどそのしなやかな肢体が艶めか
しく、こちらを見る眼鏡の奥の瞳が悪戯に蕩けていて、俺はたまらなく魅了され、無防備
にその接近を待つだけ。
元々大した距離も無い。1メートルにも満たない距離を詰め終えて、先輩はへたり込んだ
ままの俺の股間に顔を突っ込む。
「う、わっ」
「動かないでくださいよ?」
そのまま俺のジッパーを降ろし、はち切れそうに固くなっている俺自身を引っ張り出す。
「あは、何かもう、破裂しちゃいそうな程ですね」
俺のモノに息を吹きかけながらの、嬉しそうな先輩の声。
指先で先端をつつかれ、知らず俺自身がビクリと震える。
さっきからの先輩の言葉を反芻しながら、一応は訊ねてみた。先輩の発言に乗っ取って
言うならば。
「今度は俺のが愛される番、ですか?」
「ええ、それで遠野くんのおちんちんをどう愛してあげようかな、と考えてたんですが」
むき出しにされた俺自身を軽く撫で摩りながら、先輩は見上げてくる。
別にそんな事を考えてくれずとも、そのままその口に含んでくれればそれでよかったん
ですけど。でも、少し興味があったのでそのまま続きを促してみる。
「パンツはベトベトにしたいらしいですし、おっぱいには執着してましたし――」
指折り数えて言いながら、先輩は指に引っ掛けていた自らのショーツを、ふわりと固く
上を向いた俺のモノに被せた。その状態で具合を確かめるように手を上下にスライドさせ
る。
うひゃ、これは――ショーツの布地で擦られる感触がっ――
思わず腰が引けそうになるのを押し留められる。
俺の反応を確かめた先輩は満足そうに続ける。
「ですから遠野くん自身に汚してもらおうと思いまして、この下着」
そう言って先輩はまたその場に横たわった。
そして両手で自らの胸を左右から寄せつつ悪戯っぽく微笑んで。
「――ついでに、そのままココに挟むというのはどうですか?」
カクンと顎が落ちるかと思った。
何でこんな事を思いつくのか、この人は。
けれど目がその寄せられた胸に吸い付いて離れない。この頬で手でその柔らかさ、気持
ちよさを体験した今、この提案を断わる事は俺には不可能だった。
先輩の指し示す通りふらふらと移動し、そのお腹を跨ぐ。いきり立った俺自身を先輩の
胸の膨らみの間にそっと置いた。もちろん被せられたショーツはそのままに。
そして。
同時に俺自身が左右からフカッと柔らかいふくらみに挟まれた。
おお、これはまた……
先輩のふくらみが直接当たる部分はもちろん鳥肌が立つような感覚に震える。肌理の
細かい白い肉が柔らかく硬い俺のそれにそって変形し、纏わり付く。そしてショーツに包
まれた部位にも、薄い布地を通して柔肉の感触は十分に感じ取れた。むしろ濡れた布地が
挟まれて、奇妙な感触を作り出す。
「じゃあ行きますよ?」
声と共に先輩がその胸を俺自身に擦り付ける。
ボリュームのある膨らみが上下に揺すられ、淫らな快楽を搾り出す。
スベスベな生乳の感触、サラサラな布地の感触、その入り混じってマダラに与えられる
快感に俺は呻きを上げた。散々焦らしたり焦らされたりした末の、最初に直接与えられる
快楽がこの激しさと言うのはかなり酷だ。
「ふふ、気持ちいいみたいですね」
先輩が陶然と笑む。
自ら胸を上下に動かしながら、先輩が胸の中の俺自身を観察している。
血管が浮くほどに充血した怒張は先輩の下着に包まれて、その胸に挟まれている。女性
用下着を突っ張らせて浮き上がるその威容は、俺から見ても卑猥でいやらしい気がする。
先輩自身の淫蜜で濡れて薄いそれが半ば透けてるんだから尚更だ。
そこからはみ出しす部位にも下着から絞られた、湯気の立ちそうな愛液が滴っている。
「こうして見ると、何か凄いですね、遠野くんの。凄く獰猛というか……卑猥、と言うか」
それをすぐ間近で見ている先輩の、それは正直な感想だろう。
赤黒い硬度を持った肉隗が濡れて照かり、目前で揺れて居るのだ。今にも破れそうな布
きれは、ひょっとしたら猛犬を繋ぐ手綱のように思えるのかもしれない。
ズリュズリュと最も柔らかい膨らみが俺自身を撫で擽っていく。堪えきれずに俺は床に
両手をついた。
「半分以上は、先輩の、所為ですよ。先輩の匂い、するでしょ?」
乱れる息を止められない。
止められないままに指摘する。
意識せずとも、腰が動く。先輩の動きに応じて、俺自身を無意識に突き上げてしまう。
快楽を貪るために、俺は今、先輩の胸を犯している。
上に乗った俺のところまで立ち昇る、先輩の愛液と俺自身と先輩の胸とが擦れて起きる
匂い。脳を焼き、脊髄を奔り、男をいきり立たせ、女を犯させようとする、いやらしい香。
「そうみたい、ですね」
顔を近づけた先輩の憑かれたような、うわずった声。
俺の下の、先輩の身体がくねる気配。脚を擦り合わせて、足の指をキュッと曲げ、今す
ぐ貫かれたい衝動に耐える仕種だろうか。
被せられた下着を濡らすのは先輩の蜜だけじゃない。俺の先走りも滲み出しているよう
だ。それに加えて、もう一つの潤滑油が加わる。ズリュズリュと音を立てて眼下に迫るそ
の先端に、先輩は唾液を塗りたくった。舌を伸ばし、先走りの染み込んだその先端にかか
る布を穿るようにして。
「――っ、ぁ」
期待してはいたけど予期せぬ刺激に目の前が一瞬暗くなる。
火花が散るような感触、けれど直接触れない薄い布一枚がもどかしさを演出する。感じ
るのは布切れの向こうの舌が熱く濡れている事と、優しく撫でる様に俺の先端を擽る事。
チロチロと味わうように蠢いてから、それは離れて行った。
「自分のを舐めるのは変な気分ですが。でも、遠野くんのと混じって変にいやらしい……」
舌に触れた味を思い返すように言いながら、先輩は先ほどよりも胸で擦る動きを激しく
した。俺も腰を突き入れるようにして動かして、シエル先輩を犯す。この胸の中に、その
顔に、眼鏡にも髪にも、全てに俺の白濁をぶちまけたい。そんな衝動が抑えられない。
それを見越してか、先輩の乳房が俺自身の根元の方へと移動する。そして、先端にはま
た舌が伸びようとする。でも俺のほうが加減しようとしても止められない。胸への出し入
れが留められず、先端が先輩の口へとねじ込まれる。
「んっ!?」
一瞬だけ驚いたような声を上げる先輩。でもそのままショーツに包まれた先端を唇が思
い切り吸い上げた。俺の先走りが染みた布を絞り上げるかのよう。それがどうしてか淫蕩
で、俺の腰の辺りがゾワゾワとする。
「ぷはっ」
息の続く限り吸い上げて、そして息継ぎをした先輩はこちらを睨むように見上げてから、
一転、見せ付けるように蠱惑的に淫らに舌なめずりをしてみせた。それから、喉をゴクリ
と鳴らして唾を飲み込んでから、大きく嬉しそうな息を吐く。そして、目前の先端への軽
いキス。
意味するところは明白。俺の滲み出るそれをご馳走様、というニュアンス。ああもう、
どうしてこの人はこんな俺の急所を押さえる様なゼスチャーが得意なのか。たまらなくい
やらしく、エッチで、魅了されてたまらない。
絶え間なく動く乳房の感触が俺を襲い続けている。
それをしているのが先輩のおっぱい。その事実を思うだけで撫でられ続ける俺の剛直は
硬く急角度で先走りを垂らし続けている。包まれている所と居ない所と二種の快楽が入り
混じって脳みそを焼き、気が狂いそうになっている。
望み続けた先輩のおっぱいでのそれ。少しでも長くこの時間を味わっていたい。
でも、もう我慢の限界が近かった。
「シエル先輩、俺、もう――」
乱れる息に上手く出せない声で、必死に訴える。
「出して、ください。遠野くんので、わたしも、ショーツもブラも、ベトベトに、汚して」
先輩の息も今は荒い。
敏感な所に感じる鼓動も早鐘のようで、俺を見る瞳が潤んで切ない。体温が熱く、部屋
が熱く、今にも蕩けそう。
乱暴に自分のシャツのボタンを二つ三つ外し、後は先輩の胸だけを感じる。
先輩の胸を俺自身が犯し続けている。畳についていた手でふるふると揺れる先輩の乳首
をきつく摘まむ。
「ひっ、あ」
先輩の小さな苦痛の声が上がるけれど、それすらも快楽。
両手で先輩の手を一つずつ抑え、動かすのを強引に止めさせる。闇雲に押さえつけて高
まった乳圧が俺自身を圧迫する。そうして俺が先輩の上で腰を振る。正に先輩の胸を陵辱
しているという気がした。
「ハッ、ハッ――」
ズリュズリュと膨らみきった俺自身が胸肉の間を行き来する。
自分の獣のような息遣いも気にならない。
ただ俺の、先輩の望みどおりに俺自身から白濁をぶちまけたい。
今すぐ!
「ク、ああっ! 先輩っ!」
「きゃっ――熱っ」
瞬間。俺のモノが弾けた。
最初のほとばしりはそれを包んでいたショーツに。
そしてつい力が緩んだらしい先輩の手を撥ね退けて、ずらしただけのブラや先輩の胸、
顔、そして畳にまで飛び散っていく。もちろん間近のショーツにも。
開放感と意識の空白。
びゅくびゅくと迸り続ける滴りを他所に、俺も先輩もどこか惚けたままただそれを
見守っていた。
もうだいぶ陽も傾いた。
と、ふと我に帰ったのはほんの数秒後だった。
息がすっかり上がっている。顔も身体も熱くてたまらない。
息を整えながら先輩を見ると、先輩もむき出しの胸を抑えて息を整えながら俺を見詰め
ていた。まだ回らない頭でボウッと考える。ええと、とりあえず退かないといけないよな?
馬乗りになったままだったので、とりあえず先輩の上から降りた。
それから自分のブツにひっかかたままだった先輩のショーツを取り上げる。……うわぁ、
これは確かにベトベトと言えばこれ以上ない状態になってるな。そして先輩のブラも、胸
も眼鏡や顔にまで俺の白濁が飛び散っている。下着は脱いでもらう予定だったからいいと
して……
「遠野くん」
とりあえず鞄からポケットティッシュを取り出そうとした思ったとき、気だるげに上半
身だけを起こした先輩に呼び止められた。
「すみません。今、拭きますから――」
そう言って鞄を探ろうと腕を伸ばした矢先、もう一方の手首に感じるぬくもり。振り返
ると先輩が俺の手をとり、自分の下着を回収していった。そういえば持ったままだったな。
何気なくその白いのを目で追うと、その視線に気づいた先輩はいたずらに微笑んだ。
顔にも眼鏡にも俺のが付いたままの、誘う色をした目で。
そして俺の見ているその目前で唇を開き、手にしたショーツに舌を――
「――ン、凄く濃い、ですね」
先輩が俺の出した白濁を舐め取る光景。
愛蜜に濡れ、俺自身のぶちまけた白濁が付着した下着に先輩が舌を這わせ、それをゆっ
くりと口に含み、それから喉に落としていく光景。
瞬間、何故か自分の心臓は止まったと錯覚した。
口の端に残る白い汚れは先ほど付いたものだったか、それともたったいま口から零れた
ものだったか。一度放出して落ち着きを取り戻した筈の頭が、蕩けるように霞む。エロ
ティックというにもあんまりな、光景だった。
肝を抜かれた様に惚ける俺に、先輩は白濁をぶちまけられたショーツをひらひらと振る。
「こんな下着履かされたら、わたし、それだけで妊娠しちゃいそうです」
そう言って先輩はそれを丸めて脇に置いた。
――ああ、さっき俺が言ったんだっけ。ブラとショーツ、絶対に実行するって。
ぼんやりとそんな事を思い返す。
けれど俺はそれどころでは既に無かった。
膝立ちになってこちらを伺う先輩は、何気なさを装って俺を煽り立てる。
「で、どうしましょう? まだ元気な遠野くんのソレ」
身体の熱さが鎮まらない。
むしろさっきよりも熱くなった気さえする。
俺自身にダクダクと血流が集まり、痛いほどに勃起している。
それにチラリと目を走らせて、先輩は小さく舌舐めずりをした。いや、口の端に付着し
た精液を舐め取ったのかもしれない。いずれにせよそれは、熱く濡れた唇は、チロリと見
えたヌラリとした赤い舌は、俺に対する煽情的な刺激でしかない。
ズンと更に血が股間に集まるような。
「今度はお口で? それとも――」
答えを知っていて、先輩は強いて訊ねる。
ポタリと流れて落ちる白濁をつけたまま。
胸を隠す役目を放棄した、射精の染み込んだブラを纏わり付かせたまま。
靴下を履いた足から流れる膝を畳みにつき、俺を覗き込むようにして。
その下には何もつけていないスカートの裾をスッとギリギリまで持ち上げながら。
赤く染まった表情で、欲情に潤む瞳で。
「――入れますか?」
俺の判りきった答えを尋ねた。
だから、言葉で堪える必要なんてもう無かった。
軽く肩に触れると力の抜けた先輩の身体は倒れる。そのまま畳に押し倒す。
「あは、入れるんですね? そのまだ精液滴らせてる遠野くんのを、わたしの中に」
上擦って掠れた声が、嬉しげに俺の耳朶を打つ。
応えようとして喉の乾きに上手く声が出ず、ただコックリと頷いた。
先輩の足を持ち上げて折りたたむと、下着を失ったその秘所があらわになる。
傾いた赤光の中でも、その具合ははっきりと判った。
物欲しげにヒクヒクと蠢く其処は既に膣中に出されたのかと思えるほど粘度の高い蜜を
滴らせ淫らに喘ぎ続けている。それも俺の固く勃起した陰茎を迎え入れる為。
「エッチですね。先輩のここは」
すらりと言葉が口を突いて出た。
正直な感想でもある。両の脚を割り裂いて淡い恥毛からお尻の穴まで見えるそこを、
肉感的なお尻の盛り上がりの間を白く濁った蜜液がトロリと伝い落ちていくのは間違いな
くいやらしい光景だった。
「だ、だって、さっき指でされた時、中途でしたし。我慢してましたし――」
「ですか。それじゃあ」
流石に恥ずかしかったのか、頬を赤らめて上目遣いで何か言おうとする先輩が可愛い。
ので、先走りを滴らせる自分を何とか抑えて、指だけをヌルリとその隙間にねじ込んだ。
「ひゃんっ! な、何で?」
「指でが中途だったって言うから先輩に最後までしてあげようと」
本当言うと、余裕なんて少しも無い。
一秒でも早くと俺自身は主張する。声は乾きに掠れ気味で、上手に余裕を偽れない。
でも無理に余裕を装って、先輩の裂け目の中に中指だけを入れて前後に動かす。
シエル先輩に、偽りの快楽を与える為に。
「気持ちよくないですか?」
口内に張り付く舌を無理に動かしてわざとらしい質問をする。
グチョグチョと音を立てながら中指が現れてはまだ埋もれる。
こうして目に見えるようにすると、先輩が俺の指を飲み込む様は淫ら極まりなく、俺
自身が同じ目に逢いたがって収まりが付かない。早く、早く、と内心だけで焦れまくる。
「気持ちいいです。気持ちいいです、けど」
「けど、何です?」
先輩の声と同じように自分の声も震えているのが判る。
それをシエル先輩も感じてるのを理解している。
だから、判る筈。
俺が先輩に何を言わせたいか。どうすれば先に進むのか。
このまま会話を続けても到達するだろう先に、ショートカットで進むには。
何と口にすればいいのかが。
我ながら歪んだ性癖な気はする。でも言わせたくてたまらない。シエル先輩の口から、
それを。渇きを堪えかねて指を引き抜き、湯気の立つそれから先輩の蜜を舐め取る。口中
に広がる先輩の味と匂い。それを下から見上げる視線。
逡巡はほんの少し。
やがて両の脚を腕で抱え、その秘所を俺の目に自ら曝け出しながら、涙目で懇願した。
「遠野くんの、おちんちんを、わたしの――に入れてっ!」
もう我慢できなかった。
する必要も無かった。
だからいきり立つそれを宛がい一気に貫いた。
指とは比べ物にならないソレが、ズルッと奥まで飲み込まれた。
「ふっ、クゥ……ゥン」
漏れる声を押し殺した先輩が、両手でギュッと俺の身体にしがみつく。
その両の手はいまだ制服のシャツに袖を通したまま。スカートも靴下もそのまま。けれ
ど胸ははだけて形のいい膨らみが露になり、まくれたスカートの下には何もつけておらず
そのまま俺に貫かれている。
人気の無い放課後の茶道部室で、ただシエル先輩と繋がっている。
それが実感できて何だかジワリと嬉しくなった。
乱れがちな息を吐きながら、先輩を感じさせようと先輩を感じ取ろうと腰を突き動かす。
先輩の淫裂の中は指で感じたそのままに柔らかく熱く俺自身を食い閉め、奥へ奥へと招
いている。否、そのうねりは侵入したモノの大きさの分、指の時よりも凄まじい。熱く蕩
けた膣壁が幹を絶え間なく擦りたて、カリ首に巻きついて離さない。その中を強引に前後
に揺り動かせば、生ずる摩擦は全て二人の快楽へと変わる。溢れ出続ける淫蜜が一突きご
とに零れだし、畳に染みを作っている。
「遠野くん、遠野くぅん……」
うわ言のように俺を呼びながら、先輩の肢体が俺に巻きついていく。両手は背中に回っ
たまま。その脚も俺を挟み、逃がそうとはしない。まるで俺そのものがペニスになって
先輩の中で締め付けられているかのような気分だった。
――せめて、ワイシャツを脱いでおけばよかった。
擦りつけられる先輩の胸の感触を十分に感じ取れないのを残念に思いつつ、身体を揺す
る。先輩の身体を抱きしめ薄く汗の滲んだ首筋に舌を這わすと、先輩は切ない声を上げた。
小さな茶道部室に響くのは喘ぎと息遣い、ニチャニチャをいう擦れ合う水音。窓から差
し込む陽も既に赤を過ぎて蒼く暮れかけていて、かすかに聞こえていた運動部の掛け声も、
ほとんど聞こえなくなった。そんな放課後の学校の片隅で先輩と二人で繋がり、しっかりと
抱き合い、求め合っているのは少しの背徳感と大きな実感を沸き起こす。今、この手の中
にいるこの人が、全身でその存在と熱さと柔らかさを感じているこの人が、好きで好きで
たまらない。この人の最奥に自らの射精をぶちまけられるのは、何と幸福なことか。
そんな事を思いながら、ただ行為を続けていく。
ゆるやかに、そして徐々に激しく、何度も何度も重ねてきた最後に向かって――
/
日もとっぷりと暮れた帰り道。
先輩と並んで歩いている。
「何だか妙にガックリしてますね?」
「いえ、別に……」
ちょっと予想通りにいかない事があっただけです。と口には出さないでおく。
先輩は俺の希望通りブラは外して鞄に入れてくれてるし、ベタベタなパンツも丸めて
一緒に放り込んでくれている。しかし代わりに当然のようにブルマを出してきて、俺の目
の前ですまして履いてくれたのだった。
……いや考えてみれば当然だったんだがな。体育の授業があったのは知ってたんだから。
そんな訳でシエル先輩はノーブラではあるものの、ノーパン計画はオシャカなのだ。
これが落胆せずにいられようか。まあベストの下でいつもより僅かによく弾む胸を眺めて
いるのは、これはこれで慰めになるのだが。
そういうシエル先輩のほうこそ、少し不機嫌っぽいような気もするのだが……
「あ、そういえば遠野くん」
そんな事を考えながら人気の無い道を歩いていると、先輩が不意に立ち止まった。
合わせて俺も歩みを止める。街灯も無く薄暗い道の端。人通りもない。
「何ですか先輩?」
訊ねても返事が無い。
それどころか、鞄を両手で背後に提げ、眼を瞑って心なしか上を向く。
え? これは、つまり?
「……先輩?」
「そういえば今日はまだ、キスもしてもらってませんでした」
あー……つまりアレだ。
無茶苦茶な手順でコトに及んだ代償ってやつだ。
いつもちゃんとキスから始めていたんだが。
にしても今、ここでですか?
「今、ここで、です」
キッパリと告げてまた待ち受ける体勢に戻る。
先輩、やはりあの馬鹿馬鹿しい持ち込み方には多少はご立腹であったらしい。
うーん、誰が見ているとも判らない街中で、というのは凄く恥ずかしいのだが……
とはいえ、全面的に俺が悪いのは確かだし。
一応申し訳のように辺りを見回して人の目の無い事を確認し、それからその肩にそっと
手を置いた。先輩の顔を角度が心なしか上がる。
そして。
「ン――」
軽く触れるだけ――にしようと思ったがせっかくなのでその背中に手を回し、覆いかぶ
さるようにして息の続く限りのキスをする。
うう、自分でやっておいて何だが、すごく羞恥ぷれいだなぁ。
「ん、よろしい。ドキドキしました」
しかしそのかいあってか、ようやく離れてから流石に頬を赤らめた先輩がニッコリと
笑ってくれた。いや、ドキドキしたのは俺の方です先輩。
まあ機嫌がよくなったみたいだからいいんだけど。
そしてまた先輩の家に向かって歩き出す。
「うふふふー」
今のキスのあと、一転して先輩は妙にご機嫌で、今も俺の腕に寄り添うように腕を絡め
ていたりする。ブラを外してもらった成果がダイレクトに伝わって、実に心が沸き立つ
感触である。
そして歩きながら俺の耳元に弾む声が囁いたりする。
「帰ってシャワーを浴びたら、たっぷり相手してもらいますからね。覚悟はいいですか?」
どうやら何かスイッチが入ってしまったらしかった。
まあ、望むところではある。
「はははは、大丈夫ですよ先輩。なにしろ――」
何かこっちも馬鹿げたスイッチが入ったらしくて、やる気は十分。
先輩にお願いしたいバカバカしい妄想はまだまだ三倍以上は余している。一回や二回
じゃ済まないぜ?
ゆえに俺はきっぱりと言い切った。
そう、いつもの三倍の馬鹿を加えれば400万×3のっ。
「先輩を上回る1200万パワーですからっ!」
「……言葉の意味は良く判りませんが、とにかく凄い自信ですね」
/
そしてまあ、今回のオチ。
「ちょ、せ、先輩、もう勘弁してください……」
「はぁ……でもこっちはまだ勃ってますよ?」
やけに元気な先輩に、タったままKOされる。
「まあここだけ起きてれば十分ですね。えい、ニュプっと」
「…………ギブ、ギブぅぅぅっ!」
そしてそれでも許してくれないシエル先輩、悪魔超人よりテラ酷ス。
<了>
後書
読まれた方には色々と言いたい事もあると思う。
けれど、まずは落ち着いて聞いて欲しい。
――全て『仕様』です。性質の悪いSS書きに引っかかったと思って諦めてください。
以上。
というのは冗談ではなく半ば本気ですが。
何しろ導入から、入り方から、懸命に盛り上げたムードを一撃で台無しにする台詞やら、
尻切れなエロス部から、タイトルからオチに至るまで全て普通なら壮絶に突っ込み入れま
くられるというか突っ込み入らねぇ所がねぇと言うか。
……でも、何か「ああ私の書いたモノだなぁコレ」って実感がして、凄く落ち着くのw
エロス部の量多い割に物足りないけど、時にはエロスよりも大事な物ってあるよねウン。
それだから駄目なんだろうってのは棚に上げるとしてそれじゃっ(逃走
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